確率に関するよくある誤解

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その「データ」,本当にデータですか?

競馬はお金を賭けるものなので,みなさん必死です(私含め)。

だからこそ予想屋や競馬新聞という商売が成り立つわけですが,中には怪しい情報商材も存在します。

「数字は嘘をつかないが,嘘つきは数字を使う」

算数・数学が苦手な人ほど,数字を使われると簡単に信用してしまう傾向があるんですよね。

「これまでのデータによると◯◯は何%で〜」

↑こんな感じで数字を持ち出すYouTuberはめちゃくちゃいますよね? 競馬でもそれ以外でも。

もちろんそのすべてがデタラメとは言いませんが,それにしても安易に信じていませんか?

あなたが信用している「データ」は,実はデータじゃなくてオカルトかもしれないよ?というお話。

確率わかってないギャンブラー多すぎ問題

今回は特にギャンブルと関わりのある「確率」を取り上げます。

突然ですがクイズ。 ボートレース公式HPの3連単の説明のページに次のような記述があります。(https://www.boatrace.jp/owpc/pc/extra/enjoy/guide/jiten/11/y_083.html

「1着,2着及び3着のボートをズバリ順位通りに当てるもの。2連単よりもさらに難しく,
その分高い配当が期待できる。確率は1/120。」

(競馬サイトなのにボートの例でごめん笑。ボートレースを知らない人は6頭立ての競馬だと思ってください。)

さて,この文章,思いっきり間違っているんですが,具体的に間違いを指摘できますか?

うん。 これから確率の話をすると言ってるんだから間違ってるのはもちろん最後の「1/120」のところ。

「いや,1/120で合ってるだろ。 何が間違ってるのかわからん!」

という人はいつか数字で騙されるかもしれません。

ぜひこの記事を最後まで読んで正しい確率の知識を身につけてください!

「場合の数」と「確率」は別物

「ボートレースは6艇で競うので,1〜3着の組み合わせは6×5×4=120通りある。
よって,その中の1つが当たる確率は1/120である。」

この文章,前半は正しいです。 ところが後半が間違っています。

さっきのクイズの正解は,

組み合わせが120通りあっても,その中の1つが起こる確率が1/120であるとは限らない!

です!

コインを投げたときの結果は表 or 裏の2通りだから,表が出る確率は1/2。

サイコロを投げたときの出る目は1〜6の6通りだから,1の目が出る確率は1/6。

これは正しいのですが,数学の問題でよく出てくるこれらの例とギャンブルを一緒にしてはいけません。

ひとつ例を挙げましょう。

あなたがテニスのトッププロと試合をするとします。

テニスに引き分けはないので,結果はあなたが勝つ or 負けるの2通りです。

ということは,あなたは1/2の確率でトッププロに勝てる!?

…って,もちろんそんなことはありませんよね??

あなたもトッププレイヤーだというなら話は別ですが,そうでなければ勝つ確率はほぼゼロのはず。

このように,結果が2通りあっても,その2通りが平等でなければ確率は1/2にはなりません。

表と裏が完全に平等なコインの確率の話とは全然別物なのです。
(※コインやサイコロのように,全パターンが平等であることを「同様に確からしい」という。)

3連単の当たりパターンが120通りあっても,1番人気→2番人気→3番人気で決まる確率と

6番人気→5番人気→4番人気で決まる確率が両方1/120なんてありえないわけです。

まとめ

「n通りあったらその中の1つが起こる確率は1/n」というのは確率についてよくある誤解のひとつ。

個人サイトならまだしも,ボートレースの公式ですら間違えているぐらいですからね〜

今度から競馬の解説動画を見るときは確率の正しい知識を踏まえ,よく注意して見てください。

もし出だしで「18頭立てで単勝が当たる確率は1/18なので〜」とか言ってるYouTuberがいたら

その人の動画はもう見なくていいですね。

確率のことを何にも分かってないか,分かっていて無知な人を騙そうとしているかのどっちかです。

いずれにしても見る価値なし。

競馬はオカルトでは勝てません。正しい知識を身につけて,正しいデータ活用をしましょう!

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