馬単の基礎知識
正式名称は「馬番号二連勝単式」。 払戻率は75%と低めに設定されています。
馬単は馬連の着順込みバージョン。
すなわち,「1着,2着となる馬の馬番号を,その着順の通りに当てる」という馬券です。
着順どおりに当てなければならないので的中難易度は高いし,ボックスやフォーメーションで買うと
馬連に比べて組み合わせが増加するので,ちゃんと狙いを絞らないと点数が膨大に。
さらには「それなら他の馬券の方がよくね?」という場面も多く,買い方が難しい馬券。
そんな馬単とどのように向き合うべきかをしっかり学んでいきましょう!
馬単は単独で買う馬券ではない
私は特定の券種にこだわらず,狙いに応じていろんな馬券を買うタイプですが,
そんな中でもっとも買った回数が少ないのが馬単。 数えたわけじゃないけど断言できます。
私の結論としては,馬単は使いどころの少ない馬券。これに尽きますね。
ただ,これだけだと「それってあなたの感想ですよね?」って言われそうなので補足。
みなさん,馬単がどれだけ売れているかご存知ですか?
実は,JRAの馬券の全売上のうち,馬単が占める割合はワースト2〜3位の低さなのです。
(順位は多少変動があるが,単勝>馬単>枠連,または馬単>単勝>枠連の順。)
3連系は3連単のほうが3連複よりも売れているのに,馬単は馬連より売れてないどころかだいぶ低い。
(馬連は売上に占める割合が3連単,3連複に次いで第3位。)
つまり,みんな馬単買ってないんですよ。 使いどころが少ないと思っているのは私だけじゃない。
ベテランは「馬単より他の馬券にしたほうがいい」というケースが圧倒的に多いって気づいてます。
いまこの記事を読んでいる競馬初心者のみなさんも早くこの事実に気づきましょう!
- パターン1:馬連でいいじゃん
-
これは一番よくあるパターン。 馬単は馬連の親戚みたいな馬券ですが,着順を含めたことによって
馬連最大のメリット「本命馬が2着でも当たる」が丸ごと失われています。
本命馬2着でも馬券が当たるように,馬単には1,2着をひっくり返したパターンも同時に買う
「ウラ」という買い方がありますが,2着を心配してウラを買うくらいなら馬連でいい。
ウラを買うと単純に点数が2倍になるけど,本命2番人気,2着4番人気のように人気順で
決着した場合の配当は馬連と比べてさほど大きいわけでもないですからね。2倍にすらならない。
「1着はこの馬!」って確信できないんだったら馬連でいい。
- パターン2:単勝でいいじゃん
-
「1着はこの馬!」って確信できるんだったら,馬単より単勝を検討すべき(オッズにもよるが)。
本命が勝ったけど相手抜け,というのは馬単あるあるですからね〜。
絞って相手抜けするぐらいなら単勝1点勝負のほうがまだマシ。
相手を絞りきれず広く流すくらいなら単勝1点勝負のほうがまだマシ。
では,「1着はこの馬!相手もこの馬かこの馬しかない!自信アリ!」という場合は?
残念ながらこの場合も馬単がベストではない可能性が高いです。 よく考えてください。
2着に来そうな馬がそんなに確信できるほど強いんだったら,本命を抜いて1着の可能性あるよね?
つまり,この場合はパターン1の「馬連でいいじゃん」に該当します。
単勝でいいじゃんっていう話からちょっと逸れてしまいましたが,やはり馬単の出番は少ない。
「本命の馬は能力がこのメンバーでは図抜けてる!2着候補が逆転する可能性はない!」
って確信できないんだったら単勝(か馬連)でいい。
- パターン3:3連単でいいじゃん
-
さて,「本命Aは能力が抜けてる!2着候補B,C,Dが逆転する可能性はない!」とまで言い切れるならば,
普通に考えてその自信満々の2着候補のうち,2着に来れなかった馬は3着の可能性が高いのでは?
というわけで,この場合は3連単ながし1着固定A→B,C,Dの方が配当的にオイシイはず。
結局馬単って着順込みで当てなきゃいけないので,1,2着の候補が決められるんだったら,
いっそ3着候補も決めて3連単を買っちゃおう!ってなるんですよね〜
まぁ,多分みんなそう思ってるから3連単が売れて馬単が売れてないんでしょうけど。
馬単の買い方のポイント
ここまで読めば,冒頭で述べた「馬単は使いどころが少ない」というのが実感できたと思います。
上で書いたことのおさらい。
- 馬単のウラまで買うなら,はじめから馬連でいい
- 1着が確信できるなら単勝を検討する
- 1着が確信できて,2着候補まで決められるのなら3連単を検討する
では,馬単の買い時はまったくないのかというと,そういうわけではありません。
馬単がオイシイ配当となるパターンは,着順と人気順が逆転している場合。
馬単はこのパターンを狙って買うべき馬券です!
というわけで,馬単のオススメの買い方は,「馬連とのセット買い」です!
本命の人気馬からの馬連を買うつもりだが,相手の人気薄の方が勝つ可能性も少なからずある場合に,
馬連を厚めに買って,人気薄が勝ったときに備えて人気薄→人気馬の馬単を少額押さえておく
という買い方。
繰り返しになりますが,人気の本命馬が2着というパターンを馬単のウラでカバーするのは非推奨。
人気順で決着したときの馬単の配当は馬連より高いとはいえ,たかが知れています。
なので,人気馬1着パターンは馬連で済ませ,人気馬2着パターンを馬単で獲りに行く。
もちろん人気馬2着の場合は馬連も的中なので馬連と馬単のW獲りが真の狙い。
「馬単が本命馬券で,それを外したときの保険として馬連」ではなく,
「馬連が本命馬券で,高配当決着になったときの保険として馬単」です。
ただし,「馬連を買うときは常に人気薄からの馬単もセットで買え!」ということではなく,
あくまで中穴ぐらいの馬が1着になる可能性があると思った場合に馬単を買ってください。
人気薄が勝つ見込みがあまりなさそうなら馬単を買う資金を全額馬連に回した方がマシ。
万が一人気薄が勝っても馬券は当たりですし。
いつもはこのコーナーでその馬券のオススメの買い方をいくつか挙げているんですが,
馬単のオススメの買い方はこのひとつだけ! おわり!
まとめ
競馬場に行けば買っている人をそれなりに見かける気がするけど,売上的には意外と不人気な馬単。
最後になりますが,馬単には使いどころの少なさという欠点の他に,不人気馬券ゆえの注意点もあります。
それは,オッズの変動が起きやすいこと。
競馬はその券種の売上のうち,主催者の取り分を除いた分を的中者で山分けするシステム。
仮に100万円の大口投票があったとしましょう。 これが3連単や3連複ならそもそもの売上が大きいので
売上に占める100万円の割合は小さく,大口といっても大勢に影響はありません。
ところが売上が大きくない単勝や馬単では,売上全体に占める100万円の割合はかなり大きく,
大口の影響をモロに受けてしまうため,オッズの急変動が起こりやすい。
自分が買った単勝のオッズが締切後に急激に下がった,という現象は誰しも経験あると思いますが
これは単勝の売上が小さいから起こる現象。 同様に売上が小さい馬単もオッズ変動しやすいです。
(ちなみに地方競馬のオッズが中央競馬に比べて変動しやすいのも同じ原理)
しかし,このオッズの急変動は注意点ではありますが,欠点ではありません。
急激に下がるオッズがあるということは,急激に上がるオッズもあるということ。
締め切り前に単勝100倍前後だったのが最終的に200倍超えてるのとか見たことありますよね?
馬単なら人気馬1着の組み合わせのオッズは下がるけど,人気薄1着のオッズは上がります。
(だからこそさっきオススメした人気薄からの馬単だけを買うのが合理的!)
とまぁ,いろいろ注意すべき点があるクセの強い馬券ではありますが,
何事も経験ですので,競馬初心者の方は勉強だと思って馬単にもぜひ挑戦してみてください。